2020年9月20日日曜日

甘いもの、脂っこいものは万病を引き起こす。

現在どこに行っても様々なスイーツがある。甘いものは人を魅了する。甘いものを前にして怒っている人を見たことない。ほとんどの人が笑顔になる。アリが砂糖に群がるように、動物や昆虫も甘いものが好きだ。甘いものには何とも言えない不思議な魅力がある。しかし白い麻薬という人もいるように、習慣性が強く、摂り過ぎは考えものである。

東洋医学では甘いものをとり過ぎると脾(現在の膵臓、消化器系統)を傷めるという。甘いものをとり過ぎると脾が弱り、身体の水液の流れが悪くなり、滞る。水液の滞ったものを痰飲という(口からペッと吐く痰のことだけでなく、もっと幅広く水液の滞った物質を指す)。この痰飲は身体の気や血のスムーズな流れを阻害する。怪病多痰と言い、水液の滞りは奇病を引き起こすことが多いと言われる。

『日本の長寿村・短命村』著者、近藤正二先生が調査のために志摩の海女を訪ねた時、お土産にお菓子を持って行った。その海女は美味しそうに一つだけ食べたあと、二つめには手をつけなかった。「なぜ食べないのか」を近藤先生がたずねると、「甘いものを食べ過ぎると潜るのがしんどくなる」という答えが返ってきた。志摩の海女は身をもって甘いものの欠点を知っていたのである。

脂っこいものも好む人も多い。この脂っこいものも摂りすぎると東洋医学では肝に負担をかけるという。肝は血管が多く血が多い。このため東洋医学では肝には血流量の調整をすると考えられている。肝に負担がかかると血の流れに滞りが生じる。この滞った血を瘀血という。血は固まりやすいので、この瘀血は厄介者である。難病の原因はこの瘀血である。脂っこいものをとり過ぎると瘀血が生じ、難病になりやすい体質になる。油で揚げたものや肉や魚の摂りすぎ、脂ものではないがお酒の飲み過ぎも瘀血を生むので注意してほしい。

糖分も油脂も人体を構成する成分としてとても重要なものである。取らないのも問題である。しかし現在のような飽食の時代には、摂りすぎになるきらいがある。様々な甘いもの、ハンバーガー、フライドポテト、ポテトチップス、肉や魚の摂りすぎには注意したい。


2020年9月12日土曜日

痛みから内科疾患まで効く!スワイショウ

 健康体操で大切なことは、簡単に無理なくでき、それでいて効果が抜群ということである。スワイショウはそれにふさわしい健康体操である。気功や中国武術の準備体操にもよく使われる。りょうてんが行っている西野流呼吸法にも華輪という名称でこのスワイショウが使われている。このスワイショウ、腰痛、肩こり、高血圧、肝臓疾患、脳血管障害の後遺症など、様々な病気に効果あると言われている。

やり方は簡単である。スワイショウは「甩手」という字を書く。甩とは放り投げるという意味があり、手・腕をポーンと放り投げるように、手・腕を振る。振り方は前、後、横、腰をひねって振るの4種類がある。本当はもっとあるのかもしれない。ポイントは手や腕ばかりに気を取られるのではなく、丹田や足裏にしっかり意識をおき、手と腕は力まず軽やかに振ることである。ここではりょうてんがいつも行っている腰をひねるバージョンを紹介したい。

・足を肩幅に広げ、足先を前に向ける。

・足裏、丹田に意識をしっかり置く。

・体の中心軸を真っ直ぐにして、火消しのまといや、でんでん太鼓のように、腰からひねる。

・腕はその反動であとからついてき、体にまとわりつくように行う。

・顔を前に向けたままにせず、首・頭までひねる。

・はじめは段々と捻りを大きくし、終わるときも段々と捻りを小さくする。

時間は健康管理程度なら10分くらい、病気を治したい、十分に効果を望みたいのなら30分くらい行いたい。広い場所もいらないし、簡単である。ぜひ試してほしい。

2020年9月8日火曜日

どんな病気でも良くなる!軟酥の法

軟酥の法とは「駿河にはすぎたるものが二つあり 富士のお山と原の白隠」と言われた白隠禅師が著された『夜船閑話』に出てくる治療法である。この著作は白隠禅師が修行のし過ぎから身体を壊された時の闘病録及び治療方法が書かれている。この軟酥の法はイメージを使うだけで、お金もかからず、効果の高い治療法である。本文には「もし怠らず懸命に行えば、どんな病気でも良くなる」と書かれている。覚えておくと必ず役に立つ。オリジナルを読むことは大切であるので、まずは軟酥の法の部分の原文と意訳を載せておく。

【原文】

『予が曰く、酥を用ゆるの法得て聞いつべしや。幽が曰く、行者定中四大調和せず、身心ともに勞疲する事を覺せば、心を起して應に此の想をなすべし、譬へば色香淸淨の輭酥鴨卵の大さの如くなる者、頂上に頓在せんに、其の氣味微妙にして、遍く頭顱の間をうるほし、浸々として潤下し來つて、兩肩及び双臂、兩乳胸膈の間、肺肝腸胃、脊梁臀骨、次第に沾注し將ち去る。此時に當つて、胸中の五積六聚、疝癪塊痛、心に隨つて降下する事、水の下につくが如く歴々として聞あり、遍身を周流し、雙脚を温潤し、足心に至つて即ち止む。行者再び應に此の觀をなすべし、彼の浸々として潤下する所の餘流、積り湛へて暖め蘸す事、恰も世の良醫の種々妙香の藥物を集め、是れを煎湯して浴盤の中に盛り湛へて、我が臍輪以下を漬け蘸すが如し、此の觀をなす時唯心の所現の故に、鼻根乍ち希有の香氣を聞き、身根俄かに妙好の輭觸を受く。身心調適なる事、二三十歳の時には遙かに勝れり。此の時に當つて、積聚を消融し腸胃を調和し、覺えず肌膚光澤を生ず。若し夫れ勤めて怠らずんば、何の病か治せざらん、何の德か積まらざん、何の仙か成ぜざる、何の道か成ぜざる。其の功驗の遲速は行人の進修の精麤に依るらくのみ。』

榛原守一氏が作成された『小さな資料室』のサイトに原文の全文があるので参考にしてほしい。

『小さな資料室 資料310 白隠禅師「夜船閑話」(やせんかんな)』

http://sybrma.sakura.ne.jp/310hakuin.yasenkanna.htmlより抜粋

【意訳】

「酥を用いる治療法を教えていただけないでしょうか」私(白隠)が訊ねた。白幽子がこたえた「修行中のものが病気になり、心身共に疲弊を感じた時、一念発起し、軟酥の法を行いなさい。例えば色香が清浄なカモの卵くらいの大きさの軟酥(バターのようなもの)が頭の天辺に載っていることを想像せよ。この軟酥の気味は何ともいえない絶妙なものであり、だんだん溶けていって、あまねく頭全体を潤し下って、肩、両腕、両乳、胸と横隔膜の間、肺肝胃腸の五臓六腑、背骨、骨盤を次第に潤し下る。この時に胸のつかえ、腫塊は、心に従い下りていくことは、水が高きより低きに流れるが如くである。全身をあまねく流れ、両脚を温め潤して、足裏に至って終わる。修行者は何度もこのイメージを行わなければならない。この軟酥がだんだんと潤し下り、積もり積もって温め浸すことは、あたかも良医が妙香の薬物を集め、煎じて浴槽に入れて、自分の臍より下をつけ浸すようである。この軟酥の法を行う時、心がイメージしたように鼻にめずらしい香りを嗅ぎ、全身は妙好の感覚がある。心身が調い、二、三十歳の時よりはるかに体調が良くなる。このとき身体のつかえ、腫塊を融解し、胃腸を調和し、皮膚の色艶が良くなる。もし怠らず懸命に行えば、どんな病気でも良くなる。どんな徳でも積める。どんな仙人にでもなれる。どんな道でも成し遂げることができる。効験の遅速は修行者が丁寧に懸命におこなうか、荒っぽく、いい加減に行うかによる。」(意訳byりょうてん)

イメージさえできれば簡単である。頭の天辺に軟酥というバターのようなかぐわしい塊があり、それが溶けて体を降りていく。身体全体に浸透し、悪いものを溶かし、足の裏降りていく。このイメージを何回も行うのである。バターが嫌いなら自分の好きなものでイメージすればよい。これを何度も行うのである。きれいな滝の水を頭からかぶることをイメージする気功法もある。気功法の一種である。気が下半身に降りていき、丹田が充実する。効果は折り紙付きで、効果の遅速は懸命さによると書かれている。

寝つきが悪いときなどもこの法を行うと気が下りて、知らないうちに寝てしまう。この方でアトピーを克服した方のサイト(髄心『軟酥の法』)もある。経験談であり説得力がある。参考にしてほしい。



それでも毫鍼が大切

「 毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ。 」「 毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。 」で毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的によく見る鍼)を受けることを否定してきたが、毫鍼の効果を否定しているわけではない。何度も言うように毫鍼が上手な、上手と言わなくてもそれなりに使える鍼師が...