2020年11月10日火曜日

それでも毫鍼が大切

毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ。」「毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。」で毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的によく見る鍼)を受けることを否定してきたが、毫鍼の効果を否定しているわけではない。何度も言うように毫鍼が上手な、上手と言わなくてもそれなりに使える鍼師が非常に少ないからだ。下手に治療されると悪化することもある。しかし、毫鍼をうまく使うとこれほど、効果があり、応用範囲の広い鍼はない。

中国古代医学では身体を構成する物質として、気、血、水の三つがある。血は赤い液状の物質、水は赤くない液状の物質をいう。この血や水が体内を循環するには、気がなければならない。死体は血と水で構成され、気が抜けてしまっている。気があることにより死体ではなく生体となる。気が生命力の元となる、

この気に働きかけるのが毫鍼である。だから毫鍼は非常に大切な役割を担っている。刺絡や灸は血や水に働きかける力が強い。しかし気に働きかける力が少ない。血や水を動かすには気を動かす毫鍼が必要となる。血や水を動かすには気を動かさなくてはならないので、この毫鍼が基本の治療となる。

そのため様々な病気に対応していくには毫鍼が必要となる。だからりょうてんは自院ではまず毫鍼をファーストチョイスとしておすすめするのである。しかし師匠と出会うまでは毫鍼で思うような効果は出せなかった。刺絡や灸の方が効果が良かった。大方の治療家が行っているような置鍼や浅い鍼をしていては毫鍼の効果は出ない。師匠から毫鍼の使い方を学んでから、様々な症状に対応することかできるようになり、効果も早く出せるようになった。気を動かすこと、毫鍼の重要性が理解できるようになった。今のようにそれなりの毫鍼が使えるようになったのは師匠のおかげである。

うまく使えば、毫鍼は効果が高く、様々な症状に対応できる、しかし、今でも毫鍼が一番難しい鍼である。なかなかいい術者に出会うことも難しい。そのことから技術の差が出にくい刺絡や灸をしてくれる治療家をおすすめするのである。それでも毫鍼は大切な鍼である。


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