2020年5月8日金曜日

息子に伝えたいファイナンス、お金について(要点箇条書き)

 

 お金についてあまりにも無知であると困ることが多い。お金が原因で人生を台無しにし、命を失うこともある。しかし基本的なお金のことを知っていると、人生の味方になる。著者は金融の専門家でも、勝ち組でもない。しかし商人の町大阪に生まれ、小さい頃から商人の言葉をしばしば聞かされた。また投資を通じてお金について、本からまた実際の経験から学んできた。反論もあるとは思うが、著者なりに息子に残したいお金に関することを箇条書で表してみたい。

基本事項
・判押さず、金貸さず、役つかず。連帯保証人になってはいけない。金を貸してもほぼ返ってこない。役につくと自分の商売に力を入れられなくことがある。
・商いはあきない。商売(仕事)を飽きてはならない。商売(仕事)は秋が来ない(実りを待たず、淡々と行わなければならない)。
・お金(経済的に)無責任なものと付き合ってはならない。そのようなものと結婚してはならない。
・気前よく遺産の多くを生前に贈与してはならない。身内であっても先にもらうと掌を返すことがある。税金対策として少しなら良い。大半はしっかり握っておくこと。
・結果を気にして、追い求めてはならない。結果を気にせず何事も淡々と行うこと。
・すべての仕事は神や宇宙に捧げること。自分のしたことを手柄にしてはならない。自分が選択したことも神や宇宙から与えられたものとして淡々と行うこと。
・仕事は給料よりも、尊敬できる人のもとで働くこと。
・健康(心身とも)に気を使うこと。健康を損なうほど仕事や会社に自分を縛りつけてはならない。
・お金のために無理をしてはならない。お金より自由を大切にすること。
・決して急いでお金持ちになろうとしてはならない。
・儲け話に乗ってはならない。ほぼ100%損する話である。
・銀行・証券会社・金融アドバイザーに相談してはならない。お金のことは他人任せにしてはならない。
・収入内で控えめな生活し、少しでも多く貯蓄すること。当面の生活資金を貯金したあとは投資(インデックス分散)を行うこと。借金(ローン)はもってのほか。
・儲けた話をしてはならない。聞かれても「ぼちぼちでんなあ」と答える。相手には関係のないことだから。
・高級車、高級時計、豪邸、別荘、高級食材・・・などは自分の見栄を見せびらかすだけである。
・安全や健康にケチりすぎてはならないが、あなたのお金を狙う者もいることを忘れてはならない。高すぎるものには注意。
・食は質素でよいが、質やバランスを見極めること。高級品が必ずしも体と懐によいとは限らない。

資産運用
・収入内で控えめな生活し、少しでも多く貯蓄すること。当面の生活資金を貯金したあとは投資(インデックス分散)を行うこと。借金(ローン)はもってのほか。
・資産運用は他人任せにしてはならない。基本を学び、自分でやり方を覚えなければならない。基本的なことは難しくはない。銀行、証券会社、金融アドバイザーなどに他人に任せると高い手数料の商品を売られ、高いアドバイス料を取られるだけである。あなたのお金を狙っている人々もたくさんいることを忘れてはならない。
・決して急いでお金持ちになろうとしてはいけない。
・当面の生活資金(3ヶ月〜3年)を貯金し、残りは毎月投資を行うこと。運用は株(リスク資産)と債券(安全資産)に振り分ける。若いうちは株式100%でも良い。リスクを下げたいとき(退職したときなど)には債券の割合を増やせば良い。割り当合いは債券25%〜50%で決める(ベンジャミン・グレアムは25〜75%でと言っている)。不安になるほど株式の割合を増やしてはいけない。
・株も債券も必ず分散を旨とする。手数料が低いインデックスファンドを選ぶと良い。手数料は大切である。
・リスク資産は分散されたグローバルな株式インデックスファンドを選ぶこと。もちろん手数料が低いものを。現在ならEMAXISオールカントリーのような世界分散、手数料の安いものを
・安全資産はその時世の金利をいつもチェックして選ぶと良い。債券は個別のものはいけない。デフォルトリスクがある。必ず分散された手数料の安いファンドを選ぶこと。分散はされていないが、現在なら個人向け国債変動10は元本保証さらた良い商品である(こちらのほうが良いかも)。銀行の金利の良い定期預金でも良い。ただし1行1000万まで(ペイオフ範囲)は必ず守ること。
・株式ファンドは下がっても、上がっても、資金が必要なとき以外は売らないこと。年に1回ほど自分が決めた株と債券の割合を調整するために行うのは良い。
・iDecoやNISAなどの税金が控除、非課税されるものを利用すること。現在iならiDeco
をいっぱい使い、つぎにNISAを使うと良い。ただしiDecoは60歳まで出すことができない。
・株式のポートフォリオは人それぞれである。運用に時間をかけたくないのであればグローバルに分散されたインデックスファンド(オールカントリー)1本で良い。日本に住んでいるのなら日本株も入れておくと良い。割合は時価総額ベースの方法がよく使われるが、10〜40%までで日本株を入れるのも良いかもしれないが、オールカントリー1本でも良い。相続のことを考えると余り複雑にすると、お金にそこまで興味がないものは困ってしまう。
・リスク資産の運用法は株以外にも不動産、金、先物、FXなど様々あるが、著者は株が一番良いと考える。よく勉強しないで手を出してはならない。よく勉強しても手を出さないほうが良いものもある。
・個別株は楽しいが資産運用にならないことのほうが多い。個別株を楽しみたいなら金融資産の1割までにしておくこと。よく勉強しなくてはならない。20銘柄くらいで分散効果はある。それ以上に増やしても分散効果は薄く、管理もできない。バフェットのように集中投資は運用効率は良いが、自分がバフェットと同じようなことができるかよく考えること。うぬぼれてはならない。
・タイミング投資はほぼ負ける。短期間に安く買って、高く売ることができるのはほんの一部の者だけ。銘柄選択も難しい。機関投資家でさえほぼインデックスに負け、勝ち続けるのは難しい。勉強が中途半端な凡人、素人はインデックスが一番良い選択肢と言える。



2020年5月5日火曜日

息子に伝えたい健康に関する重要事項(箇条書き)

 


 人生の中で大切なものの一つに健康がある。著者はどちらかというと幼少から体が弱い方であった。だから人生の中で最も大切なものは健康であるという思いが強い。実際不健康であると精神的にも不安定になりやすい。経済的に裕福であっても、不健康で苦しむことある。
 もちろん難病の方でも有意義な人生を送る方もいる。いや病気になったからこそ大切なことに気づけることも多い。しかし病を持っていても、より健康であることは大切である。より健康であることは精神的にも安定するので、物事の判断も的確になりやすい。また、できることの幅が広がる。経済的にも安定しやすい。
 
しかし健康の情報は玉石混淆、お金儲けの手段にも使われる。著者が今まで学び、経験してきたことから、健康に関する息子に伝えたい重要点を箇条書きにしたい。 
 
 『りょうてんのおすすめ、読んでおくべき良書』のブログに記載した健康関連の本もぜひ一緒に読んでいただきたい。

健康
健康は千金に値する。健康に気をつけよ。
・病気の治療よりもまずは予防に力を入れること。
・橋本敬三先生の食(食事)・息(呼吸)・動(運動)・想(精神)から健康を考えると良い。
・食に気をつけ、適度に体を動かすこと。心にわだかまりを持たず、恬淡虚無でいること。
・精神の糧となる書を読み、心の指針を持つこと。
・何事も本質を見極めようとすること。短期的視野に陥らずに、長期的視野に立つこと。
・健康に関してケチりすぎてはならない。だからといって、高額なものや高額なサービスはそれだけの価値がないと考えたほうがよい。
・健康器具、健康食、サプリメントには気をつけたほうが良い。
食の基本は近藤正二先生『日本の長寿村・短命村』を参考にすると良い。
・自然に親しむことは生命力を上げる。
・運動は大切だが過酷なものはいけない。歩く、ストレッチなど簡単なものでも良いので少しづつ続けるのが大切である
・体の根本を調える運動が良い。例えばヨガ、気功など。他にもいいものがあるかもしれない。歩く、ストレッチなどは一番基本で効果も良いと感じる。自分にあった運動を続けるのが良い。
・著者が行った運動法で効果が感じられるものをあげたい。スワイショウ呼吸法、真向法、ヨガなどのストレッチ、軟酥の法など。呼吸法は効果が高いがやり方によっては気が上がりすぎることもある。著者は西野流呼吸法をよく行ったが、パワーが出るが気があがりすぎることがある。
・精神と体は表裏一体である。体が健康であれば精神も健全になり、精神が健全であれば、体も健康になる。
・まずは体からコントロールするほうがやりやすいが、精神からのコントロール同時に行うことも大切である。
・精神の糧となる書を見つけると良い。著者は西洋思想よりも東洋思想のほうが好きである。仏教、老荘思想、ヴェーダ哲学(バガヴァッド・ギーター)が好みである。歎異抄も好きである。
・小泉太志命大先生は『宗教、警察、病院』には近づくなと言われた。宗教的精神は大切であるが、宗教団体はややこしい。
結果や評判を気にして、追い求めてはならない。淡々と己の与えられたことをすると良い。
・瞑想を行うことは良いことである。
・西洋医学では公衆衛生、疫学をよく学ぶことが大切である。
・予防接種は大切である。ただしアナフィラキシー、副作用に注意すること。予防接種後30分から1時間はすぐに医師にかかれるように余裕を持っておくこと。


鍼灸・漢方について
・足三里のお灸や、井穴刺絡は自分でも行え、効果が高い。
・万病は首肩のこりが原因のことが多い。普段から首肩の運動をし、凝らさないように気をつけること。
・鍼灸治療は著者が業とするところであり、健康管理に非常に効果が高い。しかし上手な術者を見つけることが難しい。下手なものにやられると健康を害することもある。
・他人に健康を任すのではなくまず自分でできることをするべきである。そこに上手なプロの治療(鍼灸など)をいれるとより良い。
・漢方治療よりも鍼灸治療のほうが効果が出しやすい。ただし置鍼を行うような下手な鍼灸師にかかってはだめである。毫鍼は難しいので、刺絡治療を全身丁寧に行ってくれる鍼灸師を見つけなくてはならない。灸も全身を丁寧に行ってくれる術者がよい。理屈だけの口のうまい術者はだめである。衛生面に気を使っていることも大切である。
・名医という評判がある人が名医とは限らない、著者の経験では有名な鍼灸師や漢方医が名医でないことの方が多かった。
・からだ全体を治療してくれる治療家が良い。
・刺絡治療は難病の原因である瘀血を取るので効果が高い。鍼灸治療の中ではおすすめである。基本的な技術が身に付き、衛生面(滅菌など)に非常に気をつけている治療家にしてもらわなくてはならない。日本刺絡学会で実技講師をしている、していた治療家や刺絡学会の認定を受けている治療家を参考にするとよい。
・次に良いのが灸である。焼き切るほうが効果が高いが、熱さに弱い、火傷に弱いものは気をつける必要がある。
・毫鍼は最も一般的な鍼治療であるが、一番難しい鍼である。置鍼では効果がない。毫鍼をうまく使える鍼灸師はほぼいないと思っておいたほうが良い。著者も毫鍼が上手と思える鍼灸師は師匠一人しかあったことがない。
・病気で困ったときには西洋医学だけでなく、東洋医学も視野に入れること。併用することがよい。
・漢方は保険も効くので試してみる価値がある。普段から自分にあう漢方を数種類見つけておくと良い。
・漢方をしっかり勉強している漢方医に処方してもらう必要がある。


 

 

2020年5月3日日曜日

りょうてんのおすすめ、読んでおくべき良書


 インターネットが普及してから、様々な情報にアクセスしやすくなった。しかし同時にフェイク情報やつまらない情報も増えた。つまらないブログも多々ある。著者のブログもそうであろう。
 
 書籍もたくさん発行されるがくだらないものも多い。売れれば何でもいいという欲望だけだ。しかし先哲が表した本の中には本当に役に立つ良書は存在する。著者はとりわけ、知識の寄せ集めのような本には魅力を感じない。作者の体験、経験、足で稼いだ情報に魅力を感じる。そのような本は、古典と言われる長年読み続けられてきたものに多い。

 ブログの殆どは薄っぺらい考えを述べたものが多い。そんなブログを読むのは時間の無駄である。先哲の良書を読む時間に当てるべきである。著者が実益があると思う健康、お金に関する良書を紹介したい。一般向けはぜひ読んでいただきたい。あなたが鍼灸・漢方・東洋医学の専門家であるなら読んでいただきたい本である。

Ⅰ.健康に関するおすすめ本(一般向け)
 1.一般向け
  ・食について
   ①『日本の長寿村・短命村』 近藤正二著
  
  ・呼吸について
   ①『西野流呼吸法』 西野皓三著
   ②『自在力』 塩谷信男著
   ③『日本人の栄養学講座 食べ物さん、ありがとう』川島四郎著
  
  ・体操などについて
   ①『ヨーガ入門 ココロとカラダをよみがえらせる』 佐保田 鶴治著

  ・精神について
   ①『道は開ける』デール・カーネギー ←悩みに打ち勝つ方法
   ②『人を動かす』デール・カーネギー
   ③『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎
   ④『歎異抄』唯円
   ⑤『生きるヒント』五木寛之 
   ⑥中国思想(菜根譚、老子、莊子、論語など)、聖書などのキリスト教思想、仏教思想など自分に合うものならなんでもいい

  ・その他複合書
   ①『養生訓』 貝原益軒著
   ②『夜船閑話』 白隠著
   ③『100歳、元気の秘密』 三浦敬三著
   ④『女性の一生と漢方』石野信安
   ⑤『気功革命』 盛鶴延著
  
健康は複合である。食だけ、呼吸だけ、精神だけ、運動だけではいけない。バランスが重要である。何よりも精神・肉体の健康が大切。


 2.専門書(東洋医学)
  ①『素問』『霊枢』
  ②『刺絡入門』 工藤訓正著
  ③『工藤流刺絡指南』 工藤訓正著
  ④『刺絡聞見録』 三輪東朔著
  ⑤『傷寒論』 張仲景著
  ⑥『康治本傷寒論の研究』 長沢元婦著
  ⑦『老人必用養草』『小児必用養育草』『婦人寿草』 香月牛山著
  ⑧『医理真伝』 鄭欽安著
  ⑨『鍼灸真髄』 代田文誌著
  ⑩『お灸で病気が治った話』 深谷伊三郎著
  ⑪『深谷灸法』 入江靖二著
  ⑫『繁用生薬の薬能』『増補薬能』 南利雄著
  ⑬『漢方養生談』 荒木正胤著

  他にも原南陽、浅田宗伯、尾台榕堂、湯本求心などの著作も良い。
  江戸期の文献は良書が多い。
  昭和初期の鍼灸書は良いものが多いが、最近のものはほとんどが駄作。
  鍼灸書の横綱は『素問』『霊枢』。

Ⅱ.お金、資産運用の本

 資産運用に興味がなくても、最低1の入門書くらいは読んでほしい。もう少し言えば2のンデックス投資まで進むとより深く理解できる。 

 1.入門書
  ①山崎元氏の本
  ②『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』 ジェイエル・コリンズ著
  ※両者ともインデックス投資の本。ドルコスト平均法をタイミング投資として否定しているが、著者(私)はドルコスト平均法もいいのではと思っている。

 2.インデックス投資
  ①『インデックスファンドの時代』 ジョン・C・ボーグル著
  ②『敗者のゲーム』 チャールズ・エリス著
  ③『ウォール街のランダム・ウォーカー』 バートン・マルキール
  ④『臆病者のための株入門』橘玲著
  ※①から③は王道。
  橘玲氏の本はくせがあるが面白い。氏の他の著作も参考に。  

  著者は『梅屋敷のランダム・ウォーカー』というポームページをたまに参考にする。
  ファンドの比較表や新たな情報は参考になる。

 3.バリュー投資
  ①『賢明なる投資家』 ベンジャミン・グレアム著
  ※銘柄選択は現在には使いにくいところもある。結局凡人にはインデックスが一番。
  ただ投資の基本的な心構えについて学ぶところは多い。

 4.成長株投資
  ①『株式投資で普通でない利益を得る』 フィリップ・A・フィッシャー著

 5.その他
  ①『バフェットからの手紙』ローレンス・A・カニンガム著
  ※英語が読めるのならバークシャー・ハサウェイのホームページから読むといい。
 
 

2020年5月1日金曜日

健康は千金に値する

 

健康は千金に値する

 中国の唐の時代に書かれた『千金方』という医学書がある。著者は孫思邈(そんしばく)という人で神仙思想も好んだ人である。この『千金方』という書名は「人命は千金よりも尊い」ということから名付けられた。命が千金より尊いのなら、健康は千金に値するとも言える。
 
 健康は失って初めて大切であるということに気づくと言われるが、失う前に気づくに越したことはない。

 著者(私)は青年期に大病を患い、生死の淵をさ迷ったことがある。生来胃腸は弱かったが、臍の上下20センチにわたる手術痕が残る開腹手術を行うと以前と同じようにはいかない。服を着ているし、外からみた動きは他人と同じあるので、大病を患ったことがあるなど他人の目からは分らない。

 しかし他人と比べると体力がないことに気付かされる。他人と同じように働いたり、遊んだりすると、他人よりも疲れやすく、同じように働いたり、遊んだりできない。短時間のことは他人と遜色なくできるが、長時間、長期間に渡ると疲れが溜り、体調を崩しやすい。健康であることの大切さを実感する。

なぜ健康であることが大切か

 私が考える健康であることの利点を二三上げてみたい。
 
 まず健康であるとやりたいこと、できることの幅が広がる。勉強、仕事、遊びにおいて、健康である方が物事を成し遂げるのに有利である。

 私の祖母の兄(大叔父)は九州帝国大学出身の医師であるが、帝大の医学部に入学するには並の勉強では入学できない。受験勉強の時、周りのライバルはバタバタ倒れたが、大叔父は倒れず、最後まで勉強を成し遂げることができたという話を聞いた。写真をみても当時としては身長が180㎝もある大男で、体付きもガッチリしている。

 頭が良いというだけでなく、体力がとても大切であるということを物語っている。健康であれば仕事においてもしっかり働けるので、経済的にも安定しやすい。
 
 次に健康であると運にも恵まれやすいと思える。中国古代医学では気の流れを重視する。病気を治すとき、気の流れが良くなるように治療をおこなう。気の流れが良ければ健康であり、健康であれば気の流れが良い。体の気の流れが良いと周りにも波及するので、運気も良くなる。著者は健康と運は大きく関係すると感じる。
 
 第三に健康であると精神も健全になる。落ち着いて、的確な物事の判断ができるようになる。中国古代医学では内臓の調子と精神、感情の状態には密接な関係があるとしている。例えば、肝の調子が悪くなると怒りっぽくなり、イライラしやすくなる。脾の調子が悪いと思い悩み、思考能力が落ちるという具合である。

 健康であることはただ単に体の苦痛がないというだけにとどまらない。経済的、精神的、人生に大きな影響を与える。では病弱で、体が弱い人を否定するのかという声も上がりそうだが、そういう意味で言っているのでない。健康とは相対的なものである。著者は体が丈夫ではない。しかしより健康であることはできる。より健康であることにベクトルを向けることが大切である。
 

それでも毫鍼が大切

「 毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ。 」「 毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。 」で毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的によく見る鍼)を受けることを否定してきたが、毫鍼の効果を否定しているわけではない。何度も言うように毫鍼が上手な、上手と言わなくてもそれなりに使える鍼師が...