2020年6月23日火曜日

借金をしてはならない

 

 よく良い借金と悪い借金があるということを耳にするが、良い借金なんて基本的にほぼないと考えたほうが良い。

一、商売、事業で借金をしてなならない。
 資本を借り入れし、高い利益を産めるのなら良い借金などと言うことがあるが、高い利益を産めるかどうは未知数である。時世はどう変るか分らない。コロナショックの時、借入金の多い会社は窮地に陥った。

 事業、商売はどこでどんでん返しが来るか分らない。とんとん拍子に行っているときは銀行もどんどんお金を貸してくれる。自分は商売人、事業家としてのセンスがあると有頂天になる。欲深くなり、どんどん事業を広げてしまう。しかし運が良かっただけ、時流に乗っただけかもしれない。利益が出なくなった途端に、借金だけが雪だるま式に増えていく。もちろん事業家として素晴らしい方もいる。ただ凡人は事業や商売で借金をしてはならない。


 「いや私は凡人だから商売や事業なんて冒険はしないよ」という方でも住宅ローンや教育ローン(奨学金)は平気で行う人が多い。日本人はローン、月賦と聞くと、借金ということ忘れるのではと以前から思う。特に教育ローンは奨学金と言われるためか、借金と思っていないふしがある。


一、住宅ローン、不動産ローンをしてはならない。
 家賃を払っていても出ていくだけで自分のものにならないけれど、ローンを組めば最終的に自分のものになるからと言う理由で借金を正当化することがある。著者は大高愛銃なので阪神淡路大震災のことはよく覚えている。大学生の時だった。実際に被災の現場をテレビだけでなく、この目で見た。震災で家が倒壊し、ローンだけが残った、新たに家を建て二重ローンを抱えている人もいた。失業、病気、災害などが絶対にないと言うことはない。
 
 不動産投資目的で借金をするものもいるがいいかもになることもある。「賃料が定期的に入るので、良い収入になりますよ」なんてうまい話に乗ってはならない。賃料が入らず、借金だけが膨らむことも多々ある。借金を抱えてまでも不動産投資をしてはならない。借金をしなくても不動産投資はよく勉強しなくてなならない。借金をして人任せにするなんて、借金までして丸々他人にお金を与えるようなものだ。


一、教育ローンはしてはならない。
 著者は鍼灸専門学校で講師をしているが、学生の大半が教育ローン(奨学金)を借りている。20年前と比べるとローンをする学生がびっくりするほど増えているのには驚く。ただ借りている本人は奨学金は借りるのが当たり前のように思っている。金利が0ならいざしらず、金利を上乗せして将来返していかなくてはならない。それに専門学校を卒業して、国家試験を取得したからと言って、バラ色の仕事があるとは限らない。借金をかかえてまで、職業訓練や資格のために大学や専門学校に行く必要があるのかよく考えてほしい。

 著者が大学生の時、育英会という奨学金があった。これを借りている友人があったが、この奨学金は公立学校の教員になると全額免除となった。彼は高校の教員となった。以前はこのような優遇があったが、今はない。このような借金なら利用するのも分からないこともない。

 職業訓練のためなら専門実践教育訓練給付金制度というものがある。高校を卒業して慌てて大学や専門学校にいかずに、雇用保険のある会社で2年働いてから給付金を受ける方法もある。人生百年時代と言われる今、高校を卒業したら大学、専門学校と考えずに、自分が本当に行きたいときに、また行けるような経済力ができたときに行ってもよいのではないかと考える。大学や専門学校は本来、学びたいときに行くものである。就職や職業訓練のためだけのためならもったいない。

一、月賦、分割払いをするな。
 以前百貨店でフランスパンを1本買い、クレジット払いにしたときに、「リボ払いにしますか」とたずねられたことがある。数百円のフランスパンである。馬鹿らしいが、1円・1銭でもカード会社は利益を取りたいのであろう。車、時計、電化製品など何でも分割にする方がいるが、分割にすれば余分にお金を払って購入することになる。今払える現金の中で購入すべきだ。できないのなら我慢すべきである。無駄なお金は払うべきではない。この無駄を投資に回せば、複利で増えていく。

一、信用取引をしてはならない。
 株価はどう動くか分らない。信用取引で自分の思いと違う方向に動いてしまうと追証に苦しめられることになる。お金を借りてまで投資を行ってはならない。株主優待投資で有名な桐谷広人さんもリーマンショック時に追証に苦しめられた経験がおありである。そこから値上がり追求の狩猟民族の投資から、優待・配当を期待した農耕民族の投資へと変更された。欲を出してお金を借りて儲けようと思ってはならない。

 病気になろうが、事業が傾こうが、失職しようが、コロナウィルスが流行しよう、株が大暴落しようが、借金は免除されない。何も自分から足かせをはめる必要はない。
 

2020年6月12日金曜日

まずは食から変える

 


 操体法を考案した医師の橋本敬三先生は健康を維持するときに大切な要素を4つあげている。食・息・動・想である。食は食事、息は呼吸、動は動作、想は精神である。この4つ健康維持にはどれも大切なものであり、お互い深く関連しあっている。
 
 だだいきなりすべてを変えようとすると、大変な方も多いであろう。ではこの中でまず第一に考えたいものといえば、『食』である。中国伝統医学では体が2つの気に由来すると考えている。一つは先天の気と言われ、父母からもらうものである。語弊はあるかもしれないが、精子と卵子みたいなものと考えてもらっても良いであろう。しかしこれだけでは体は大きくなれないし、維持できない。だから食べものが必要となる。この食べ物から得られる気を後天の気という。中国医学ではこの後天の気をとても大切にする。要するに食物が命を支えている大本である。
 
 東北大学医学部衛生学教室教授の近藤正二先生が著された『日本の長寿村・短命村』という本がある。先生は日本の津々浦々、990ヶ所の長寿村と短命村を自分の足で調査し、長寿と短命の原因を探った。重労働や大酒飲みの村が必ずしも短命になるというわけではなく、気候が温暖で、ゆったりした生活が必ずしも長寿の原因となるわけではなかった。
長寿と短命を分ける一番の原因は『食習慣』にあるということであった。

 テレビでよく言うようなスーパーフードは存在しない。あれは視聴率を上げるために偉い先生を出して行っているだけである。ここでは本の内容を詳しくは述べないが、簡単にいうと次のようになる。
長寿村
・かぼちゃ、人参などの緑黄色野菜、海藻をよく食べる。
・大豆たんぱくをしっかり取る。
短命村
・魚、肉、米を多く取り、野菜をあまり食べない。
・単一のものを多く食べる

 詳しいことは『日本の長寿村・短命村』近藤正二著を読んでいただきたい。足で稼いだ経験がここにはある。付け焼刃のくだらない健康番組や健康本とは全然違う。必読の書と言っても過言ではない。

2020年6月11日木曜日

経済的豊かさを得るにも寡欲が重要

 


 お金をガツガツ稼げば経済的に豊かになれる。著者も若いころにはそのように思っていた。でも今は違う。「人よりもたくさん儲ける=経済的にゆたかになる」とは必ずしもならないと思うようになった。

 『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』 ジェイエル・コリンズ・著に次のようなたとえ話が出てくる。仲のよい少年が2人いました。彼らは別々の道を進みました。1人は質素な僧侶に、もう1人はお金も力もある王様側近の大臣になりました。何年もあと、2人が出会いました。でっぷり太った大臣は、やせてみすぼらしい僧侶を見てかわいそうになりました。助けようと思い、大臣は声をかけました。「王様の役に立つ方
法を学べば、米と豆しか食べられない生活をしなくて済むよ」僧侶が応えました。「米と豆で生きる方法を学べば、王様のためにあくせくしなくて済むよ」

 著者がこの話が本当にそうだと思うようになったのには苦い経験があるからだ。子供が生まれた時、もっと稼がなくてはと仕事を増やしたことがあった。最初は収入が増えたが、無理をしていた。生来身体が丈夫ではなく、若いころに大病をしていたので、数年後体調を崩した。以前よりも働くことができなくなった。もちろん収入も以前より減った。自分の分をわきまえず、欲をだしすぎたからだ。自業自得である。

 著者の尊敬する投資家の神様ウォーレン・バフェットは「急いでお金持ちになろうとする人は、けっきょくはお金持ちになれない。・・・いつだっていろんなことを楽しむようにすれば、何でもかんでも買うことはできなくても、人生はすばらしいものになる。金銭的には裕福でなくても幸せに暮らしている人ならば、たくさん知っている。反対に、お金持ちなのに幸せでない人たちも知っている。」と言っている。(betseldomさんのブログ『節約発投資行き』2012年5月8日火曜日より)

 投資の神様でさえ(だからこそ)、欲を出しすぎることを戒めている。凡人ならなおさらである。でも凡人ほど欲を出してしまう。そこが神様と凡人の大きな違いである。

 人間には欲がある。しかし凡人は欲を出しすぎてしまう。あやしい儲け話に乗ってしまうのも欲からである。自分の分をわきまえずに無理をするのも欲からである。欲を出しすぎるほど儲けは少なくなる。場合によっては、身を亡ぼすこともある。自分の分をわきまえ、贅沢をせず、借金せず、節約する(もちろん無理しすぎてはならない)。余った分を貯蓄し、グローバルなインデックスファンドに投資をする。急いではいけない。豊かさを求めたいなら、健康を維持するのと同じように寡欲であることが要である。
 

2020年6月9日火曜日

健康の秘訣は寡欲


 
 様々な健康法、健康器具、健康食品、が新たに出てきては消えを繰り返す。健康に関することは古今東西、お金になるのであろう。しかしそのほとんどは効果がない。だから出てきては消えを繰り返す。そのようなことはほとんどの人が承知の上だが、売る方は上手で、客の不安や欲望をうまくくすぐる。著者はそのような才能に恵まれていない。体が余り丈夫でなく、健康に人一倍興味があるが、儲けにつながらない。

 健康に関する情報は多いが、何を信用して良いのかわからない。そのようなとき先哲の文献をが役に立つ。何百年、何千年という間、伝え続けられるのには其れ相応の価値があると言える。
 
 中国伝統医学では病気になる原因を次のように示している。
①外邪というウィルスや細菌のように外から体内に入るもの。
②感情の起伏。精神病やうつだけではなく感情の起伏が内臓の病気をもたらす。
③食べ過ぎ、飲み過ぎ。
④怠けすぎ、働きすぎ
⑤過剰な性交
⑥怪我や虫刺され、獣に噛まれること
以上は中国伝統医学の教科書的な病気の原因の記載である。
 
 世界で最も古い、まとまりのある医学書に『素問』という文献がある。中国伝統医学のバイブルにあたる。そこには次のように書かれている。
「酒をほしいままに飲み、欲望のままに性交を行うと命を短くする」
「こだわりが少なく、無欲であれば体の気血の流れが良くなる」
「くたくたに疲れ果てるようなことをしなければ、体は順調である」

 また日本の養生の大家、江戸の貝原益軒が書いた『養生訓』には食事や、色欲を慎むことについてかなりの部分を割いている。少し後の香月牛山という医師も『老人必用養草』の中で、老人の健康維持にに食事、色欲を慎む、精神の保養の重要性を説いている。

 要するに健康を維持するには、食を慎み、色を慎み、名誉欲や金銭欲、他人からどう思われるかなどを気にすることにより過労にならないようにし、心安らかにすることが大切である。結局は寡欲(欲を少なくする)ということにつきる。



 

それでも毫鍼が大切

「 毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ。 」「 毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。 」で毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的によく見る鍼)を受けることを否定してきたが、毫鍼の効果を否定しているわけではない。何度も言うように毫鍼が上手な、上手と言わなくてもそれなりに使える鍼師が...