2020年6月11日木曜日
経済的豊かさを得るにも寡欲が重要
お金をガツガツ稼げば経済的に豊かになれる。著者も若いころにはそのように思っていた。でも今は違う。「人よりもたくさん儲ける=経済的にゆたかになる」とは必ずしもならないと思うようになった。
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』 ジェイエル・コリンズ・著に次のようなたとえ話が出てくる。仲のよい少年が2人いました。彼らは別々の道を進みました。1人は質素な僧侶に、もう1人はお金も力もある王様側近の大臣になりました。何年もあと、2人が出会いました。でっぷり太った大臣は、やせてみすぼらしい僧侶を見てかわいそうになりました。助けようと思い、大臣は声をかけました。「王様の役に立つ方
法を学べば、米と豆しか食べられない生活をしなくて済むよ」僧侶が応えました。「米と豆で生きる方法を学べば、王様のためにあくせくしなくて済むよ」
著者がこの話が本当にそうだと思うようになったのには苦い経験があるからだ。子供が生まれた時、もっと稼がなくてはと仕事を増やしたことがあった。最初は収入が増えたが、無理をしていた。生来身体が丈夫ではなく、若いころに大病をしていたので、数年後体調を崩した。以前よりも働くことができなくなった。もちろん収入も以前より減った。自分の分をわきまえず、欲をだしすぎたからだ。自業自得である。
著者の尊敬する投資家の神様ウォーレン・バフェットは「急いでお金持ちになろうとする人は、けっきょくはお金持ちになれない。・・・いつだっていろんなことを楽しむようにすれば、何でもかんでも買うことはできなくても、人生はすばらしいものになる。金銭的には裕福でなくても幸せに暮らしている人ならば、たくさん知っている。反対に、お金持ちなのに幸せでない人たちも知っている。」と言っている。(betseldomさんのブログ『節約発投資行き』2012年5月8日火曜日より)
投資の神様でさえ(だからこそ)、欲を出しすぎることを戒めている。凡人ならなおさらである。でも凡人ほど欲を出してしまう。そこが神様と凡人の大きな違いである。
人間には欲がある。しかし凡人は欲を出しすぎてしまう。あやしい儲け話に乗ってしまうのも欲からである。自分の分をわきまえずに無理をするのも欲からである。欲を出しすぎるほど儲けは少なくなる。場合によっては、身を亡ぼすこともある。自分の分をわきまえ、贅沢をせず、借金せず、節約する(もちろん無理しすぎてはならない)。余った分を貯蓄し、グローバルなインデックスファンドに投資をする。急いではいけない。豊かさを求めたいなら、健康を維持するのと同じように寡欲であることが要である。
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