様々な健康法、健康器具、健康食品、が新たに出てきては消えを繰り返す。健康に関することは古今東西、お金になるのであろう。しかしそのほとんどは効果がない。だから出てきては消えを繰り返す。そのようなことはほとんどの人が承知の上だが、売る方は上手で、客の不安や欲望をうまくくすぐる。著者はそのような才能に恵まれていない。体が余り丈夫でなく、健康に人一倍興味があるが、儲けにつながらない。
健康に関する情報は多いが、何を信用して良いのかわからない。そのようなとき先哲の文献をが役に立つ。何百年、何千年という間、伝え続けられるのには其れ相応の価値があると言える。
中国伝統医学では病気になる原因を次のように示している。
①外邪というウィルスや細菌のように外から体内に入るもの。
②感情の起伏。精神病やうつだけではなく感情の起伏が内臓の病気をもたらす。
③食べ過ぎ、飲み過ぎ。
④怠けすぎ、働きすぎ
⑤過剰な性交
⑥怪我や虫刺され、獣に噛まれること
以上は中国伝統医学の教科書的な病気の原因の記載である。
世界で最も古い、まとまりのある医学書に『素問』という文献がある。中国伝統医学のバイブルにあたる。そこには次のように書かれている。
「酒をほしいままに飲み、欲望のままに性交を行うと命を短くする」
「こだわりが少なく、無欲であれば体の気血の流れが良くなる」
「くたくたに疲れ果てるようなことをしなければ、体は順調である」
また日本の養生の大家、江戸の貝原益軒が書いた『養生訓』には食事や、色欲を慎むことについてかなりの部分を割いている。少し後の香月牛山という医師も『老人必用養草』の中で、老人の健康維持にに食事、色欲を慎む、精神の保養の重要性を説いている。
要するに健康を維持するには、食を慎み、色を慎み、名誉欲や金銭欲、他人からどう思われるかなどを気にすることにより過労にならないようにし、心安らかにすることが大切である。結局は寡欲(欲を少なくする)ということにつきる。
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