健康維持で最も大切なものはと聞かれたら、食事と答える。次に大切なものはと聞かれたら呼吸と答える。お金がかからず、非常に効果が高いものが呼吸法である。精神や肉体に変調があると呼吸は浅くなる。浅くなれば酸素が十分に体を巡らなくなるので、身体の調子がだんだん悪くなるのは想像できるだろう。人間食べなければ死んでしまうがすぐには死なない、しかし呼吸が止まればすぐに死んでしまう。それ程大切なものである。古代から深く、長い呼吸を行うと気力が高まり、心身の状態が良くなることを先哲は知っていた。体調が悪い、ついていないという方はまず呼吸から変えてみてはどうだろう。簡単なものから少し複雑なものまで3つほど紹介したい。自分がいいと思ったものを継続してほしい。
1.4-7-8呼吸法
『癒す心、治る力』の著者で有名なアンドルー:ワイル博士がおすすめする呼吸法である。博士も最もおすすめの健康法として呼吸法をあげている。ヨガの呼吸法がもとになっている。 やり方も非常にシンプルである。
楽な姿勢で座るか、仰向けになる、呼吸をしているあいだは、舌の先を上歯の裏側に軽くつける。
①「フゥー」という音をたてながら、口から息をぜんぶ吐き切ります。
②口を閉じ、こころのなかで1から4まで数えながら、鼻から静かに息を吸う。
③1から7まで数え、息をとめる。
④「フゥー」という音をたてながら、1から8まで数え、ゆっくりと口から息を吐き切る。
以上を4回行う。1か月ほどして慣れてくれば8回まで増やしてもよい。少なくとも1日に2回ほど行う。
他にもふいご呼吸などもすすめている。http://www.okadamokichi.jp/gracefuldays_2.html
2.塩谷式正心調息法
塩谷信男医学博士が考案した呼吸法である。呼吸法にイメージ、想念を組み合わせ効果をあげている。生まれつき身体が弱かったが、呼吸法で健康を取り戻し、106歳長寿を成し遂げられた。(ただ100歳までは健康でおられたが、最後の6年間は体調を崩され、認知症となった。頑張り過ぎず、無理をしないことの大切さと現代医療の弊害を考えさせられる。詳しくはご子息の塩谷信幸先生のブログを参照していただきたい)しかし、塩谷先生が考案された呼吸法が健康に大きく寄与したことは疑いがない。この呼吸法の特徴は肺の底までいっぱいに酸素と取り込むために、横隔膜をしっかりし下まで引き下ろすところにある。呼吸法のやり方だけ簡単に述べみたい。
①吸息:鼻から静かに肺底まで吸い、丹田に向かって横隔膜を下げる。
②充息:吸い込んだ息を丹田に押し込む。肛門をギュとしめ、数秒から十秒程、息を止める。
③吐息:肛門の力を緩め、鼻から静かに息を吐き出す。腹の力を抜き、腹をへこませる。
④小息:軽く一息する。
以上を1日少なくとも25回繰り返します。
⑤静息:以上が終わった後に、丹田に意識を置き、静かにゆっくり10回普通の呼吸をする。
詳しいやり方は『自在力』塩谷信男著 サンマーク文庫やwebsiteを参照してほしい。
3.西野流呼吸法
西野皓三先生によって考案されたされた呼吸法である。足芯呼吸と華輪という回転式のスワイショウが大きな柱となっている。 足芯呼吸とは気を全身にをめぐらすイメージを伴いながら行う独特の呼吸法である。気を全身にめぐらすのでただの腹式呼吸よりも効果が高いように思える。著者も長年続けている。
①丹田から足裏に向けたイメージで息を吐いていく。
②足の裏から下腿・大腿を通して丹田まで息を吸い上げる。
③肛門に軽く意識をおいたまま、背骨を通して、百会まで吸い上げる。
④軽く息を止め、身体の前面通って丹田に下す。
⑤息を口から吐き、全身に気を広げていく。全身に広がったら、気を足の裏に下し、足の裏から息を吐く。
吸気は鼻から行い、呼気は口から行う。呼吸が苦しくならないように、途中で何度でも息継ぎして構わない。1回の足芯呼吸は2分ほどかけて行う。
詳しくは『西野流呼吸法』西野皓三著 講談社や西野流呼吸法公式ホームページを参照してほしい。
著者は西野流呼吸法が好きだが、自分に合ったものを継続して行ってほしい。継続すれば必ず効果はある。