2020年8月17日月曜日

資産運用の方法 アセットアロケーション『リスク資産を考える』




前回、無リスク資産とリスク資産の割合を考えた。無リスク資産には 「現預金」「国内債券」などが含まれる。リスク資産には「国内株式」「外国株式」「外国債券」「不動産」「コモディティ(金とか原油、トウモロコシなど)」などが含まれる。今回はこのリスク資産を考えてみたい。

個人的には「国内株式」「外国株式(先進国・新興国)」で十分と考える。以前にも書いたが不動産は日本人の場合、持ち家が資産のほとんどを占める場合が多い。不動産に偏りがちの資産配分になるきらいがある。金は株式のヘッジとして持つ人もいるが、バフェットの次の言葉が好きである。「株は企業が活動して利益を生み出していくが、金それ自体はものであり何も生み出さない」複利効果を得るには株式が良い。どうしても不動産や金などのコモディティを扱いたいなら、換金性の良いRIETやETFで購入すればよい。個人的にはあまり複雑にしたくないこともあり、また必要性もあまり感じない。

株式の資産配分にも様々な考え方がある。米国企業は世界で活躍しており、利回りもいいから米国株一本という人もいるが、リスク資産運用の基本はいつでも分散である。これが要だ。どこの国、地域が最も上り、最も下がるかは分からない。必ず世界分散を行うべきである。少なくとも国内株式と先進国株式の2つには配分することである。日本はこれから先、成長は見込まれないので、日本株はいらないという人もいるが、これも考えものである。日本に住んでいるのなら、日本円で生活する。また為替リスクがあるから外国株はいらないというのも考えものである。為替はどのように動くか分からない。何度も言うが国内株式と外国株式に分散することである。

では国内株式と外国株式の割合はどのようなものがあるだろうか。日本株、先進国株(日本を除く)、新興国の3つで考えるのが一般的である。配分の例を挙げてみたい。

①時価総額比率で配分する。

②リスクとリターンから最適解を考える。

③①と②の間を取る。

④国内株:先進国株(日本を除く):新興国株 = 1:1:1と同じ比率で配分する。

①は最もオーソドックスで、簡単である。手数料の低い投資信託もあり、リバランスの必要もない。手間がかからず、投資に興味のあまりない方、忙しい人にも向いている。何もすることがないのでつまらないと感じる人もいるかもしれない。

②は山崎元氏を参考にしていただければよい。「外国(日本を除く先進国)株式6割+国内株式4割」の比率を推奨している。日本株式が多いと思われる方もいるかもしれないが、日本円で生活することが考慮されている。

③国内株式:外国株式 = 1~4:9~6の範囲で配分を決める。自分の考え方を反映できが、複雑になり過ぎないように注意が必要である。

④新興国株式の割合が高いのでボラティリティは高くなるかもしれないが、リターンも高まるかもしれない?。同じ比率なので分かりやすい。

結局どれがいいのか。好みというしかない。分散をしていれば、どんぐりの背比べというところであろう。筆者も最初の頃リスクやリターンを考え、小さいことにこだわったが、今はやめにした。それよりも子孫に受け継ぐときのことを考えるようになった。そう考えると複雑なものは省きたくなる。皆が株式投資に興味があるとは言えないからだ。全世界の株に分散された投資信託1本を選ぶのがベターかもしれない。昔と違い全世界の株に分散された投資信託の手数料も格段に安くなっている。リバランスもいらない。勝手に入れ替えも行ってくれる。為替リスクを抑えたいなら、国内株式の割合を好みで増やせばよい。

分散、手数料が安い、この2つに気を付け、ゆったりと航海するのが賢明である。


「急いでお金持ちになろうとする人は、けっきょくはお金持ちになれないのです。」

「ゆっくりお金持ちになるのは簡単です。だから貯金は早く始めることです。 」

by ウォーレン・バフェット



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