2020年6月12日金曜日

まずは食から変える

 


 操体法を考案した医師の橋本敬三先生は健康を維持するときに大切な要素を4つあげている。食・息・動・想である。食は食事、息は呼吸、動は動作、想は精神である。この4つ健康維持にはどれも大切なものであり、お互い深く関連しあっている。
 
 だだいきなりすべてを変えようとすると、大変な方も多いであろう。ではこの中でまず第一に考えたいものといえば、『食』である。中国伝統医学では体が2つの気に由来すると考えている。一つは先天の気と言われ、父母からもらうものである。語弊はあるかもしれないが、精子と卵子みたいなものと考えてもらっても良いであろう。しかしこれだけでは体は大きくなれないし、維持できない。だから食べものが必要となる。この食べ物から得られる気を後天の気という。中国医学ではこの後天の気をとても大切にする。要するに食物が命を支えている大本である。
 
 東北大学医学部衛生学教室教授の近藤正二先生が著された『日本の長寿村・短命村』という本がある。先生は日本の津々浦々、990ヶ所の長寿村と短命村を自分の足で調査し、長寿と短命の原因を探った。重労働や大酒飲みの村が必ずしも短命になるというわけではなく、気候が温暖で、ゆったりした生活が必ずしも長寿の原因となるわけではなかった。
長寿と短命を分ける一番の原因は『食習慣』にあるということであった。

 テレビでよく言うようなスーパーフードは存在しない。あれは視聴率を上げるために偉い先生を出して行っているだけである。ここでは本の内容を詳しくは述べないが、簡単にいうと次のようになる。
長寿村
・かぼちゃ、人参などの緑黄色野菜、海藻をよく食べる。
・大豆たんぱくをしっかり取る。
短命村
・魚、肉、米を多く取り、野菜をあまり食べない。
・単一のものを多く食べる

 詳しいことは『日本の長寿村・短命村』近藤正二著を読んでいただきたい。足で稼いだ経験がここにはある。付け焼刃のくだらない健康番組や健康本とは全然違う。必読の書と言っても過言ではない。

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