2020年10月27日火曜日

毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。

 「毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ」のところで、自然療法を受けるなら、瘀血を取る刺絡治療を受けるのが最も良いことを述べた。しかしこの刺絡治療、すべての鍼灸師が行っているわけではない。あなたの周りに刺絡を行っている治療家はいないかもしれない。また基本技術ができている治療家を探すのが難しいかもしれない。刺絡を受けることができないなら灸治療を受けるのが良い。やはり毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的な鍼)はおすすめしない。何度も言うが、置鍼などは効かないし、上手なものを探すのはかなり難しい。「下手な毫(ごう)鍼 治療は受けてはいけない。」を参照してほしい。

毫鍼や刺絡と違い、ツボの摂り方以外、技術はそれほど治療家により左右されない。艾をもんで米粒大にして、火をつけるだけである。昔は素人でも家で行った。艾を均一の大きさ、固さにひねり、スムーズに火をつけるという作業を上手にできるかという技術の差はあるが、下手でも時間をかければ上手なものと同じ効果を出せる。瞑眩(めんげん)という好転反応以外は下手だからと言って悪化することもない

灸は日本人が好んで行ってきた。まず湿気が多く、冬は冷えやすい日本の気候に合っている。また安価で、家庭でもでき効果も高い。江戸の文献を見ると様々な内科疾患、精神疾患、慢性病を病気を灸で治している。香川修庵という江戸時代の有名な医者は、病気を治すときに3つの方法を勧めている。まずお灸、次に温泉、最後に薬である。お灸が病気を治すのにもっともよいと言っている。最近の日本人はお灸のすばらしさを忘れている。日本のお灸文化をみなすべきであると感じる。

治療家を選ぶときには全身を丁寧に行ってくれる灸師が良い。「太極治療をしているか」を尋ねるとよい。また手間をかけて艾をもんで、米粒大にしてすえてくれる治療家でなければならない。千年灸のような台座灸や棒灸、生姜の上に団子のようなお灸を行う温灸は気持ちはよいが効果は少ない。焼き切る方とほうが断然効果は良いが、熱いので我慢できない人もいる。そのようなときは効果が落ちるが、八分目で取り去る灸や紙の上にのせてすえるやり方もある。

注意としては灸は焼き切らないでも、皮膚の弱いものは赤くなったり、水膨れになることがある。掻くと可能するので、化膿しやすい人は気を付けた方が良い。服の袖や裾、首周りの皮膚とすれやすいところは特に化膿しやすい。

技術の上手下手がすくない、効果が高い、治療家が探しやすいということからお灸が最強化とも言える。ただ艾をもんで、火をつけるのは一対一の治療になり、手間がかかるので、多人数ができる置鍼を勧めてくるかもしれないが、そのような治療家は断ろう。全身を丁寧にしてくれない治療家も不可である。

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それでも毫鍼が大切

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