現在どこに行っても様々なスイーツがある。甘いものは人を魅了する。甘いものを前にして怒っている人を見たことない。ほとんどの人が笑顔になる。アリが砂糖に群がるように、動物や昆虫も甘いものが好きだ。甘いものには何とも言えない不思議な魅力がある。しかし白い麻薬という人もいるように、習慣性が強く、摂り過ぎは考えものである。
東洋医学では甘いものをとり過ぎると脾(現在の膵臓、消化器系統)を傷めるという。甘いものをとり過ぎると脾が弱り、身体の水液の流れが悪くなり、滞る。水液の滞ったものを痰飲という(口からペッと吐く痰のことだけでなく、もっと幅広く水液の滞った物質を指す)。この痰飲は身体の気や血のスムーズな流れを阻害する。怪病多痰と言い、水液の滞りは奇病を引き起こすことが多いと言われる。
『日本の長寿村・短命村』著者、近藤正二先生が調査のために志摩の海女を訪ねた時、お土産にお菓子を持って行った。その海女は美味しそうに一つだけ食べたあと、二つめには手をつけなかった。「なぜ食べないのか」を近藤先生がたずねると、「甘いものを食べ過ぎると潜るのがしんどくなる」という答えが返ってきた。志摩の海女は身をもって甘いものの欠点を知っていたのである。
脂っこいものも好む人も多い。この脂っこいものも摂りすぎると東洋医学では肝に負担をかけるという。肝は血管が多く血が多い。このため東洋医学では肝には血流量の調整をすると考えられている。肝に負担がかかると血の流れに滞りが生じる。この滞った血を瘀血という。血は固まりやすいので、この瘀血は厄介者である。難病の原因はこの瘀血である。脂っこいものをとり過ぎると瘀血が生じ、難病になりやすい体質になる。油で揚げたものや肉や魚の摂りすぎ、脂ものではないがお酒の飲み過ぎも瘀血を生むので注意してほしい。
糖分も油脂も人体を構成する成分としてとても重要なものである。取らないのも問題である。しかし現在のような飽食の時代には、摂りすぎになるきらいがある。様々な甘いもの、ハンバーガー、フライドポテト、ポテトチップス、肉や魚の摂りすぎには注意したい。
0 件のコメント:
コメントを投稿