2020年10月18日日曜日

鍼灸院は3つの治療を行っているかを確かめよう

 鍼灸治療を受けようと思うがどこを選んだらよいか分からないという方は多いであろう。特に技術に関しては一般の方には見分けにくい。プロでも技術を見分けことができる者は非常に少ない。素人ならなおさらである。有名だから、流行っているから、病院・鍼灸学校の中でやっているから上手であるということはほとんどない。流行っていなくても、無名であっても上手な者はいる。りょうてんが使える技術を学んだ師匠はほとんど無名である。

では技術を見分ける方法はないのだろうか。確かに難しいが、いくつかあるうちの一つを挙げてみたい。それは『鍼灸治療には3つの治療方法がある』ということを知り、それぞれ説明できるかである。東洋医学のバイブルである『霊枢』に書かれている。

黄帝がいいました。「刺に三変あると聞くが、三変とはどのようなことを言うのか。」伯高がこたえた。「營を刺す者、刺衞を刺す者、寒痺が経脈に留まるを刺す者の3つがあります。」黄帝いいました「三変を刺す者とはどのように行うのだろうか」伯高が答えた。營を刺すものは出血させます。衞を刺す者ものは気を出します.寒痺を刺す者は内を熱します」【霊枢 壽夭剛柔第六より】

このように鍼灸には気を出す治療・血を出す治療・内を熱する治療の3つをその人の体質や病態により使い分ける必要がある。この3つを知らなければ様々な病気に対応できない。このようなことを知るには『素問』『霊枢』をはじめとする古典と言われる昔の医学文献を読みまなくてはならない。そしてさらに臨床に応用できるかが鍵である。そこまでできる治療家はりょうてんの知る限り非常に少ない。特に気を出す治療を臨床応用できる治療家はほとんどいない。

それでも気・血・内熱の3つの治療の内容をしっかり話せるかどうかを確かめるだけでもその治療家の技術を磨こうとするやる気度合いを測ることはできるであろう。

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