2020年10月24日土曜日

鍼灸の3つの治療で最もおすすめは

 以前に鍼灸には3つの治療方法があることをご紹介したが、ではこの3つの中で最もおすすめはどれかを今回はお話したい。実際には気を出す、血を出す、内を熱するの3つは患者さんの病態や体質によって変えなければならない。だからどれが最もおすすめかということは患者さんに変わる。しかしそれぞれ3つの治療技術には難易度がある。患者さんに良くても術者が下手なら効果がないどころか、悪化させることもある。技術の難易度と効果を考えておすすめをご紹介したい。

東洋医学では気の病→水の病→血の病の順により悪くなる。難病のほとんどはこの血の病である。この血の病に使う治療方法には吸い玉、カッサ、灸、刺絡などがあるが、最も効果があるのは刺絡治療である。基本的な技術ができていれば安全であり、難病の原因となる瘀血を取ることもできるので最もおすすめである。全身治療を行ってくれる治療家が良い。三稜鍼という鍼を数ミリ程度しか刺さないので安全であり、毫鍼が苦手な人も受けやすい。注意としては滅菌などの衛生面や基本的技術が出来ていない治療者がいることである。詳しくは別項で述べたい。

次におすすめは温める治療である。温める治療も様々ある。ホットパック、火鍼、様々な灸などがある。やはりツボをしっかり選ぶほうが効果は高い。火鍼は効果があるが人により好き嫌いもあり、熱のある場所に行うと悪化することもある。安全で効果があるのは灸である。焼き切るほうが効果があるが焼ききらない方法もある。千年灸のような温灸よりも、艾をひねって米粒大にしてすえる灸のほうが断然効果がある。灸は技術の差が出にくいので、安全であり効果も高い。澤田流の太極治療のように全身治療を行っている治療家がおすすめである。ただしツボ数が多過ぎ、ばらまくような灸効は果が少ない。火傷に弱く水膨れがおこり、それを掻くものは化膿することがあるので注意が必要である。

気を動かす治療は最も難しい。代表は毫鍼という鍼に柄がついた最もよく見るものである。血や水が動くのは気によるので、この毫鍼は基本の鍼である、上手な治療家にかかれば非常によく効くが、上手な治療家はほとんどいないと思ったほうが良い。よく見かける置鍼のように刺しておいておくだけでは効果がほとんどない。下手な治療家にかかれば悪化することもある。上手な治療家に出会うことが難しい。そのような意味でおすすめしないのが毫鍼である。(しかし、りょうてんの治療院では一番のおすすめは毫鍼である)詳しくは「下手な毫(ごう)鍼 治療は受けてはいけない」を参考にしてほしい。

要するに刺絡治療や灸治療を全身丁寧に行ってくれる治療家がおすすめである。もちろんカイロプラクティックや整体、マッサージの類よりも効果があるのはもちろんだ。ただし毫鍼は上手だととても効果があるが、上手な者が少ないのであまりおすすめしないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

それでも毫鍼が大切

「 毫(ごう)鍼を受けるな、刺絡を受けよ。 」「 毫鍼は受けるな。刺絡がなければ灸を受けよ。 」で毫鍼(細い鍼に柄のついた一般的によく見る鍼)を受けることを否定してきたが、毫鍼の効果を否定しているわけではない。何度も言うように毫鍼が上手な、上手と言わなくてもそれなりに使える鍼師が...